そこには引きこもりを脱したい強い想いと
覚悟があった
・両親が自分のことを心配している
・これ以上心配かけたくない
・働くチャンスがあれば死ぬ気でやりたい
・自分を変えたい
こんな想いをとても不安そうに語りながらも
瞳の奥には強い意思を感じた。
都心の一流企業であれば採用面接でその人の実績や
スキルレベル、人間性を見るんだろうけど、うち
みたいな会社の採用面接でそれをやると採用する
人がいなくなる
だから僕はいつも”働かざるを得ない理由”が
強い人を探していて
その意味で彼はぴったりだった。
多少の不安はあったものの、自分の見る目を
信じて、パートタイマーの倉庫の作業員として
採用し、2日後から働いてもらうことになった
出社初日
本当に出社してくるのか、なぜか僕まで
ドキドキしながら会社に行くと、
もはやシャウトに近いレベルで社員一人一人の
ところを挨拶してまわってた。
その日から彼は、10年超の元引きこもりとは
思えないほどの活躍をみせた
倉庫内を縦横無尽に駆けまわりながら、どんな
仕事にも一生懸命取り組む姿に社内からの評判も
とても高かった
初めてのお給料の日には、彼は僕の所にわざわざ
お礼を言いにきて、家族をご飯に連れて行くと
言って嬉しそうにしていた。
そこから数ヶ月が経ったとき、彼が僕のところに
すごく緊張した顔つきでやってきた。
これまでの経験で、僕のところに緊張した顔で
やって来るスタッフはほぼ100%退職願を持ってる。
おいおい、せっかくここまで頑張ってきたのに、
と思いながら会議室に連れていき話を聞くと...