休憩中に彼女から連絡があった。
「入院します。つきましては誠にすみませんが2日分の下着と~…」病院の面会時間はどーだったっけなと取り敢えず後回しにしようとしたら間髪入れずに着信。
何だ何だと取り敢えず出る。
「私○○病院看護師の?…」彼女が急変で意識失ったという連絡だった。
慌てて上司に早退を申し出て病院に向かうと酸素マスク付けられてる彼女。
もうショックで看護師や医師の説明なんて聞こえない。
親御さんは飛行機の距離。
あと何時間1人で彼女のこんな姿見りゃいいのかと気が狂いそうだった。
2日くらい前から腰が痛い、熱が下がらないと言いつつ病院はまだ早いかなと解熱剤飲んで耐えてた。
彼女後輩でまだ学生してるんだが、バイトも行ってた。
朝、もうどうしようもないからちょっと病院行くって言ってた。
体が弱くてしょっちゅう熱を出してたからいつものことだと見送った。
もっと早く病院に行かせてればと後悔しまくったよ。
このまま意識戻らなかったらと思うと泣けてきた。
1週間意識戻らなかった。
医師も原因が分からないと首を傾げていた。と思ったら彼女起きた。
バチっといきなり起きた。
ビビった。
ぼーっとしてもいなくて、カスカスの声でいきなり「ポケモン!」って焦ったようにキョロキョロしだした。
感動の目覚めとかじゃなくて、普通の寝起きみたいだった。
親御さんも俺も涙なんか引っ込んだ。
聞けば彼女はずっと暖かくて気持ちよいとこにいて、眠たいなと思っていたけど夜のアニメのポケモンを録画したか不安でこのまま寝るわけにはいかんと気合いで起きたら、大変な状況になってたらしい。
それ聞いて腰が抜けた。
さすがに1週間も意識不明だったからか飯も食えず点滴だけだったんだけど、それにも文句付けるくらい元気だった。
いきなり元気になった。
手も足も痺れてはいたが、口だけは細々した声の癖に一丁前で呆れた。
そしてもう暫く入院して退院。
夏休みにもろかぶりだったことが幸いして留年は免れた。
そんな彼女は今もポケモンに夢中。
俺も親御さんもいいとしこいて辞めろと言いたいが彼女を死の淵から救ったのがポケモンなだけに何も言えない。
そして毎週録画にしたら、もしまた同じことがおきたときに安心して死なれそうで出来ない俺は多分ヘタレ。
黄色いネズミのぬいぐるみが部屋を侵食しているが何も言えん。
「愛のコメント」
無事でよかったですね。