普通に就職して数年後、
幹部候補だとか言われて、
大学内ビジネススクールに国内留学した。
クラスメートの関西の女子と仲良くなって、
実家に遊びに行ったら親父さんに、
「跡取りがおらんから、
会社は辞めて医学部に入り直さないか?」
と懇願された。
親父さんは私立医大の創立時のお偉いさん。
何故かすんなり合格して医学部に学士入学。
アラサーの鈍った頭脳と劣化した体力で、
国家試験と跡継ぎ確保に必至で頑張ったよ。
息子も生まれて彼が医学部に入った頃に、
それまでの親父さんが
理事長の病院での一応医科長から、
出先・子会社の健診センターの経営を見てくれと
体よく出された。
そこはダラ幹が仕切って乱脈経営で
手の打ちようが無かった。
その結果を突き付けられて、
引退寸前の親父に呼ばれて、
目の前に札束を積まれて
「手切れ金だ、娘と別れてくれ」
(あとで分かったのは娘の心変わりで、
別の金脈のやり手医師を招請していた)
嫁の実家が鼻に付いていた事もあり、
開業資金に足りそうな札束だったので
あっさり承諾して、今の故郷に戻って来た。
暫く地場の中規模の病院で
様子見と患者人脈を集めておいて、
数年経ってからこじんまりとクリニックを開業して
そこそこ繁盛している。
病院勤めの間に、
×ありの資産家の娘と一緒になって、
ようやく心の安定も得て幸せだ。
子供たちが成人する頃には初老になるけど、
まあまあ手堅く過ごして欲しいと願っている。
「愛のコメント」
なんとも奇異な人生ですね。