「これ職場に持っていって皆さんに聞いてもらったらどうなるでしょうね?」
「障害者の支援団体に持っていっても面白いことになりそうですね。特に**県**の会の人に渡すと、この辺りは
にぎやかになるでしょうね」
そういうと元嫁両親は一気に青ざめ、あたふたしながら卑怯者とか、脅迫じゃないか。警察に訴えるとか言い出したけど、
「かまいませんよ、そうなりゃ裁判で証拠として取り上げられて、あなたたちの発言は記録として残るでしょうね。」
スマホを触りながら、「私の要望は変えませんので明日までに準備してください。一応、データ保全のために、録音データ
を複数の友人にメールで送りました。(嘘)そのうちの一人は法律関係者です(嘘)」
もう少しやり取りはありましたが、俺が態度を弱めなかったので、元嫁両親は500万円の慰謝料を承諾し、翌日に
現金手渡しとなりました。
翌日の月曜日、元嫁父は仕事を休んでいました。ちゃんと500万円も用意されていて、念書も準備されていました。
今後、一切元嫁、元嫁家族に近づかないこと、金銭の要求をしないこと、録音データを公開しないこと、違反した場合は
500万円を支払う。などが記されていて、おおむね同意できるものだったので互いに署名捺印しました。
かばんに500万円を入れる時になって、元嫁母から守銭奴とか孤児の貧乏人がとか言ってきたので、「あのですね、
録音データを公開しないと念書にありますけど、何の録音データなのかはまったく書かれてないですよね?だから
今からこれをインターネットの流しても、違反にならないんですよ!」と言うと。念書を書き直すとか言い出したので、
断固拒否し、元嫁母の耳元で「切り札のカードはこっちが持っていることは忘れんな!言葉に気をつけろ」と脅してやった。
元嫁両親の苦虫を噛み潰したような表情を見て、溜飲が下がる思いがした。
その後、元嫁を呼び出してもらい、互いに離婚届に署名して俺がそのまま役所に届けに行った。
元嫁実家から去るとき、最後に元嫁に「そんなに俺の子供生みたくなかった?」と聞くと黙って下を向いたままだった。
その時、元嫁はとっくの昔に結論が出ていて、俺がそれに気が付かなかったんだな~と思うと、涙が出そうになったので
急いで車に乗り込んだ。
出発しようとすると元嫁が駆け寄ってきて「こんなことになってごめんなさい。父と母が失礼なことをしてごめんなさい。
けっしてあなたのことが嫌いになったわけじゃない。ちゃんとあなたのところに帰れる方法を見つけるから」と言っていた。
俺は感情が高ぶって泣きそうになっていたので、言ってる意味が理解できず。「とにかくもうお互いがそれぞれ幸せに
なったらいいよ。元気でね。荷物はなるべく今週中に送るから」と言って急いで車を出した。
帰り、涙が止まらず前が見えなかったので、路肩に車を停めてひとしきり泣いた。
泣き終わった後、不意に「短けぇ夢だったな~」とナウシカのクロトワの台詞が出てきて、自分に笑いながら何とか
役所に行って離婚届を提出した。
離婚後、俺はすべてにやる気を失ってしまい、家族もいないのに働いてもしょうがないやと思って、仕事も辞めてしまった。
俺のそんな状況を知った高校の同級生が「思い切って環境を変えろ!うちの会社で求人もあるから、俺が口を利いてやるから
引っ越してこい」と言ってくれた。でもその時は気力が湧かず「今はいい」と言って断った。
離婚から1ヶ月くらいたったころ、元嫁からメールが届いた。「元気にしてる?」とか「ちゃんとご飯を食べてる?」
とかいうものだった。
俺は、念書を交わしているのでやり取りはできないことを返信すると「このメールは親には内緒だし、アドレス帳の名前を
女の子の名前にしてるから見られてもわからない」と返ってきた。
それから、念書に反するが元嫁とのメールのやり取りをこっそりとするようになった。日々のたわいも無いことや、
スマホで撮った写真のやり取りとかしていった。ただ再構築や子供のことについては、触れてはいけないような気がして
避けていた。
元嫁とのメールのやり取りで、少しづつ元気を取り戻していった。付き合い始めたころの感覚になって行った。
そしてやっぱり元嫁が好きなんだと自覚した。そして俺は決意して「やっぱり俺の子供を生んでほしい、無理なら子供が
いないままでも」とメールした。しかし元嫁からの返事は「ごめんなさい」だった。
俺はすごく落胆した。でも同時にこんな不毛のやり取りをしても意味がない、もうすべてを捨ててやり直そうと思い、
引越しを進めてくれた友人に連絡をして仕事を紹介してもらい引っ越した。引越し先は飛行機で行く距離
引越しと同時に携帯も解約して、新しい番号とアドレスは、一部の親族と俺の離婚理由を知っている一部の友人にのみ
教えた。
新しい職場で1年ほどして仕事にも慣れたころ、友人の後押しもあって×1で3歳の女の子のいる女性と
交際することになった。
彼女の両親も俺の離婚理由をきいて交際を否定することはなかった。
「娘と孫を幸せにしてくれるならどんな人でもいい」と言ってくれた。何回目かに彼女の娘と会った時、パパと呼ばれた。
どうやら彼女の母が「パパだよ~」と洗脳してくれてたみたい。それでその日、彼女にプロポーズした。
彼女は俺の奥さんとなって彼女の娘は俺の子供になった。
新しい家族を持って、本当に幸せだと感じていて、もう元嫁の事なんかすっかり忘れてた。
元嫁と離婚して3年が過ぎた去年の秋口に、携帯に登録してない番号から着信があった。出てみると元嫁だった。
元嫁は「今どこにいるの?」「急に連絡が取れなくなったから心配した、ずっと探してた。」
「とても大事な話しがあるから会ってほしい」と切羽詰った口調で話してくる。
今はもう引っ越していることを告げて、急には会えないと伝えた。
すると元嫁は「あなたの子供ができたの、もうすぐ産まれるからもどってきてほしい、両親も説得したから」
と意味不明なことを言い出す。
これはヤバそうな話だと感じた俺は、今は落ち着いて電話ができる所にいないので1時間ほどして
かけ直してもらうよう頼んで電話を切った。
混乱しながら、とにかく録音をと思い、通話を録音できるアプリをスマホに入れて、充電ケーブルも用意した。
家で話せる内容じゃないから車で電話することにした。
今嫁が俺の様子に気が付いて声をかけてきたので、「ちょっと変なことに巻き込まれそう、後でちゃんと説明するから」
と伝えて車に乗り込んだ。
時間通りに元嫁から電話がかかってきた。
さっきより落ち着いていて俺の都合も考えずに急に電話してきたことを謝ってくれた。
俺が今どこに住んでいるのか聞いてきたので、とりあえず住んでいる県だけ伝えた。
それで本題の俺の子供ができたとはどういうことか聞いてみた。
元嫁が言うには、