子供を産んでそのまま乳児院に捨てた。
東京の大学に受かってお上りさん丸出しでウロウロしてたら、たくさんの人に声掛けられて来るもの拒まずでしていたら出来てしまっていた。
誰の子かわからないし、相手の顔も覚えてない。
つわりとかなく体系的にお腹もちょっと太ったね。程度だったから周りは誰も気がつかなかった。
ちょうど自然分娩みたいなブームが来ていたので、流産しなかったら1人でこっそり産もうと本を読み漁った。
同時に隣県の乳児院を調べた。産まれたら直ぐに置きに行くつもりで。
1月の雪の降る日に風呂場で産んだ。
産湯で清めへその緒を切り、後産の処理して初乳あげてたら、その日は寝てしまった。
フリマで買った服を着込ませて、スリングにホッカイロを入れて電車とバスを乗り継いで乳児院まで歩いた。
黙っておいて来ようと思ったが、外は雪が積もっていたのでピンポンして
「この子をお願いします」
とだけ言って去った。
追いかけてくるかと思って全速力で走ったけど追っ手の気配は無かった。
大学は1年次の般教をかなり落としていたが、2年の専門と並行して受けられたので無事資格を取得して卒業出来た。
取得した資格が児童心理士。
馬鹿みたいだけど、子供の頃不登校気味で学校が嫌いだった私はその人のお世話に凄くなったから、どうしても同じ道に立ちたかった。
最初で大きく道を踏み外してるのにね。
卒業旅行で海外に行った時に勇気を出して子供を捨てた乳児院に電話をした。
「□年◯月△日に子供を捨てた者です」
と名乗ったら
「あら、あなたがお母さん、ハナちゃん(仮名)元気に育ってますよ。あなたは大丈夫?」
と、とても優しい言葉を掛けられて最後に
「ハナちゃんをうちに届けてくれてありがとう」
その言葉で私の涙腺は決壊して園長に事の次第を全部話し、自分の連絡先も伝えた。
ハナちゃんは何度か養子の話が来たが、本人が施設を出たがらないのでしばらくは園に置いて頂けるようだ。
自分が母だと名乗り出る勇気はないが、子供の為に貯金はしっかりしています。
「愛のコメント」
何とも切ない話ですね。